「総務って、何をする仕事?」「一般事務と何が違うの?」「未経験からでも入れる?」——。求人で「総務」を見かけても、中身がイメージしにくくて応募の手が止まっていませんか。
私(当サイト運営者)は、日用品や工具の販売を約10年続けたあと、37歳・未経験で事務職に転職しました。入社したのは総務部(庶務+経理の補助)で、今も総務の仕事をしています。この記事は、その現職の実感をもとに書いています。
先に結論をお伝えすると、総務は会社が回るための裏方を一通り受け持つ仕事です。小さな会社ほど担当する範囲が広くなりやすく、そのぶん「幅広く対応できること」が求められるため、未経験からの入り口にもなりやすい職種だと感じています。
※仕事の範囲は会社によって大きく違います。私の話は、あくまで一例として読んでください。
総務の仕事内容とは?会社の「裏方」を一通り受け持つ
総務は、社員が自分の仕事に集中できるように、会社全体の環境や手続きを整える仕事です。会社に必要だけれど、どの部署の担当とも言いにくい仕事をまとめて受け持つことが多いのが特徴です。一般的な仕事内容を表にまとめました。
| 分野 | 主な仕事(例) |
|---|---|
| 備品・消耗品の管理 | 文房具やコピー用紙などの在庫確認・発注、届いた備品の受け取りと保管 |
| 郵便・宅配 | 郵便物の仕分け・配布、発送の手配、宅配便の受け取り |
| 来客・電話対応 | 来客の受付・ご案内、代表電話の対応と担当者への取り次ぎ |
| 社内手続き | 入社・退社にともなう書類の準備、社員からの各種届出の受付 |
| 書類の整理・保管 | 契約書や社内書類のファイリング、保管期間に合わせた管理 |
| 社内行事・設備まわり | 会議室や社内設備の管理、社内行事の準備、業者とのやりとり |
※あくまで一般的な例です。人事・労務の手続きや経理の一部まで総務が担当する会社もあれば、ここに挙げた仕事の一部だけを担当する会社もあります。
規模の大きな会社では総務・人事・経理と部署が分かれていることが多く、人数の少ない会社では、ひとつの部署でまとめて受け持つことも珍しくありません。同じ総務でも、会社の規模によって中身がかなり変わります。
一般事務・経理との違いは「誰を支えるか」
事務の仕事どうしの違いは、「誰を、何を支えるか」で整理すると分かりやすくなります。
- 総務……会社全体の環境と手続きを支える(備品・来客・社内手続きなど)
- 一般事務……部署や社内の人の仕事を支える(書類作成・データ入力など)
- 経理……会社のお金の流れを支える(伝票・請求書・経費精算など)
実際には重なる部分も多く、「総務事務」「一般事務」「庶務」の中身がほとんど同じ求人もあります。一般事務と営業事務の違いは一般事務と営業事務の違いは?未経験はどちらを選ぶ?比較表と選び方、経理の仕事は経理事務は未経験から目指せる?仕事内容と必要なことにまとめています。
私の場合:総務の庶務は「一通り全部」、メインは備品・来客・電話
ここからは、私自身の話です。
4人の部署で、方針は「誰でも対応できるように」
私が入ったのは、総務・経理・会計・庶務を4人で回している総務部です。その中で私は、庶務と経理の補助を担当しています。
庶務の仕事は、備品の管理、郵便、来客、社内手続き、書類の整理など、上の表に近いものを一通りすべて行います。人数が少ないので、会社として「誰でも対応できるように」という方針があります。
メインは「備品・来客・電話」の3つ
一通りすべて行う中でも、私が主に受け持っているのは次の3つです。
- 備品管理……社内で使う備品の管理
- 来客対応……来社されたお客様の受付・ご案内
- 電話対応……かかってきた電話の対応と取り次ぎ
入社してすぐ任されたのは、経理の補助だった
意外に思われるかもしれませんが、入社してすぐ担当したのは、総務の庶務ではなく経理の補助でした。
- 各店舗から届く売上データの確認
- Webから販管費(会社の運営にかかる費用)の帳票を集める作業
総務で入社しても、少人数の会社では経理の補助から始まることがある、というのが私の実感です。
電話は、自分から取りにいった
電話対応は前職の販売で問題なくできていたので、入社してからは自分から積極的に電話を取るようにしていました。事務の経験がなくても、前の仕事で慣れていることから先に引き受けるのは、未経験から職場に貢献するひとつの方法だと思います。
未経験から総務を目指すときの現実
「総務専任」の求人は、規模のある会社に多い傾向
一般に、総務だけを専門に担当する求人は中堅以上の会社に多く、小さな会社では「総務・庶務」「一般事務」といった求人名で、ほかの事務と兼務になることがよくあると言われます。「総務」という名前だけで探すと、選択肢が狭くなるかもしれません。
私自身、最初は名前の知れた大手ばかりに応募して書類選考で落ち続けました。エージェントの助言で中小・伸び盛りの会社に目を向けたところ、内定をいただけました(転職の流れは日用品や工具の販売から、未経験で事務職に転職した私の話に書いています)。
求人名ではなく、仕事内容の欄で判断する
同じ「一般事務」でも、中身は備品管理や来客対応が中心で総務に近い求人があります。反対に、総務の求人に経理の補助が含まれることもあります。私の場合がまさにそうでした。
応募するかどうかは、求人名よりも仕事内容の欄に何が書いてあるかで判断するのがおすすめです。兼務がある場合は、どの仕事が中心になるのかを面接で確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。求人の見方は未経験OKの事務求人の探し方・見極め方で紹介しています。
前職の経験で活きやすいもの
- 電話・来客対応……お客様への受け答え、担当者への取り次ぎ
- 備品や在庫の管理……数の確認、足りないものの発注
- スケジュール調整……シフトづくり、予定の段取り
- 人への説明……新人への指導、ルールや手順を伝えること
私の内定先は規模を広げている最中で、社内のルールづくりと従業員教育が急務になっていました。面接では、前職で副店長として社員教育を担当していた経験に好感を持っていただけたと感じています。前職の経験を事務向けの言葉に言いかえる方法は、販売・接客の職務経歴書を「事務向け」に書くコツを参考にしてください。
総務に向いている人・向いていない人
- いろいろな仕事を少しずつ受け持つのが苦にならない
- 人から頼まれごとをされると、やりがいを感じる
- 電話や来客など、人と接する場面に抵抗がない
- 備品の数や書類の場所など、細かな管理をコツコツ続けられる
- ひとつの作業だけに、じっくり集中していたい
- 作業の途中で電話や来客に呼ばれると、ペースが崩れてつらい
- 成果が数字で見えないと、やりがいを感じにくい
- 担当範囲がはっきり決まっていないと落ち着かない
どちらも一般的な目安で、職場の規模や体制によって負担の感じ方は変わります。事務全体の向き不向きは事務に向いている人・向いていない人|未経験でも大丈夫?でも整理しています。
未経験から総務に近づくための準備
PCの基本操作
備品の管理表や社内への案内文など、WordやExcelを使う場面は多くあります。基本の入力と簡単な表づくりから身につけておくと安心です(私はMOSは持っていません)。準備の進め方は未経験事務に向けたPCスキル準備|MOS・簿記は必要?にまとめています。
ビジネスマナー
来客や電話の対応は、社外の人から見ると会社の顔になる場面です。敬語や電話の取り次ぎ方など、基本のマナーを確認しておきましょう。販売・接客の経験がある方は、すでに土台があります。
簿記は「経理寄りの総務」で役立つ
総務が経理の補助を兼ねる職場を目指すなら、簿記の知識が役立ちます。私は簿記3級を独学で取得しましたが、実務では2級レベルの知識が必要だと感じています(→簿記3級は事務に活かせる?取るメリットと活かし方|未経験)。
「幅広く対応できること」を強みにする
「誰でも対応できるように」という方針の職場では、ひとつの専門より、いろいろな仕事に対応できることが評価されやすいと感じます。前職の仕事を、接客以外のこまごましたものまで書き出しておくと、応募書類で伝える材料が見つかります。
総務の志望動機の考え方
総務の志望動機では、「なぜ事務なのか」だけでなく、「なぜ会社を支える仕事がしたいのか」と、それにつながる前職の経験を一本の話にすると伝わりやすくなります。以下は架空の記入例です。◯は自分の状況に置きかえてください。
販売職として◯年間、接客に加えて、店舗の電話対応や消耗品の在庫管理、スタッフのシフト調整を担当してまいりました。スタッフが接客に集中できるよう売場の外の仕事を整えることに、やりがいを感じてきました。この経験を、社員の皆さまが働きやすい環境を整える総務の仕事で活かしたいと考え、志望いたしました。
書き方の型は販売から事務への志望動機と転職理由|1本のストーリーで伝える書き方、ほかの文例は事務の志望動機 例文|未経験・状況別のそのまま使える文例で紹介しています。
よくある質問
Q. 総務はきつい・辛いと聞きますが、本当ですか?
会社によって大きく違います。少人数の職場では担当範囲が広く、いろいろな仕事が同時に入ってくることがあります。その反面、頼られる場面の多い仕事でもあります。気になる方は、部署の人数と担当範囲を面接で確認しておくと安心です。
Q. 総務から経理の仕事に進むことはできますか?
総務と経理を兼務している職場なら、経理の補助から触れられることがあります。私も、総務部に入社してすぐ担当したのは経理の補助でした。経理に興味がある方は、応募の段階で「経理の補助が含まれるか」を確認してみてください。
Q. 30代・40代の未経験でも総務を目指せますか?
年齢だけで判断されるものではなく、「幅広い対応ができるか」が見られやすい仕事だと感じています。電話・来客の対応や人への説明など、これまでの経験を整理して伝えることが大切です。私は37歳・未経験で総務部に入りました。年齢の不安については30代・40代から未経験で事務は厳しい?年齢の不安への向き合い方にまとめています。
まとめ:総務は「会社を一通り支える」仕事。求人は中身で選ぶ
総務は、備品・郵便・来客・電話・社内手続き・書類の整理など、会社が回るための裏方を一通り受け持つ仕事です。
- 仕事の範囲は会社の規模で大きく変わる。小さな会社ほど幅が広い
- 「一般事務」などの求人に含まれることも多いので、仕事内容の欄で判断する
- 電話・来客対応、在庫管理、人への説明など、前職の経験が活きやすい
「総務って自分にできるのかな」と迷っている方は、まずは気になる求人の仕事内容の欄を、この記事の表と見比べてみてください。
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