「求人を見ていると『一般事務』と『営業事務』の両方が出てくるけれど、何が違うのか分からない」——。どちらも「事務」と付いているので、同じような仕事に見えて、応募の手が止まっていませんか。
未経験から応募するとなると、「自分にはどちらが合うのか」「どちらのほうが目指しやすいのか」も気になるところだと思います。
この記事では、一般事務と営業事務の違いを比べながら、未経験ならどちらを選ぶかの考え方をまとめました。私(当サイト運営者)は37歳・未経験で、販売の仕事から事務職に転職しました。そのとき求人を見ながら感じたことも、あわせてお伝えします。
先に結論:違いは「誰を支えるか」です
先に結論をお伝えすると、一般事務と営業事務のいちばんの違いは「誰を支える仕事か」です。
- 一般事務……部署や会社全体を支える。社内の人を幅広くサポートする
- 営業事務……営業担当と、その先にいるお客様とのやりとりを支える
書類の作成、データ入力、電話対応といった事務の基本は、どちらにも共通しています。違いが出るのは、仕事の「向き先」と、それにともなう社外とのやりとりの量です。
一般事務と営業事務の違いが一目で分かる比較表
主な違いを表にまとめました。
| 項目 | 一般事務 | 営業事務 |
|---|---|---|
| 主に支える相手 | 部署や会社全体(社内の人) | 営業担当と、その顧客 |
| 主な仕事 | データ入力、書類の作成・整理、電話・来客対応、備品や郵便の管理など | 見積書・請求書などの作成、受発注の処理、納期や在庫の確認、顧客からの問い合わせ対応など |
| 社外とのやりとり | 電話や来客の取り次ぎが中心で、比較的少なめ | 顧客や取引先との電話・メールが日常的にある |
| 忙しさの波 | 月末・月初や年度末など、会社全体の締めの時期に重なりやすい | 受発注の締め時間や営業の動きに合わせて、急ぎの依頼が入りやすい |
| 向いている人 | 幅広い仕事をコツコツこなしたい人 | 人とのやりとりや、段取りを組むことが苦にならない人 |
| 求人で見かける別の呼び名 | 事務スタッフ、オフィスワーク、総務事務、庶務 など | 営業アシスタント、営業サポート、受発注事務 など |
※仕事の範囲は会社によって大きく違います。表はあくまで一般的な傾向として見てください。
一般事務の仕事と特徴
一般事務は、特定の誰かではなく、社内全体を支える仕事です。データ入力や書類の整理、電話・来客の対応、備品や郵便物の管理など、会社が回るための細かな仕事を幅広く受け持ちます。
特徴は、仕事の範囲が「ここまで」と決まりにくいことです。少人数の会社ほど、総務や庶務に近い仕事までまとめて担当することがあります。やりとりの相手は社内の人が中心なので、社外対応に不安がある人にとっては始めやすい面もあります。
1日の流れや必要なスキルは、一般事務の仕事内容とは?1日の流れと未経験から始めるにはでくわしく紹介しています。
営業事務の仕事と特徴
営業事務は、営業担当の後ろで、注文から請求までの流れを支える仕事です。見積書や請求書の作成、受発注の処理、納期や在庫の確認など、金額や数量といった数字を扱う場面が多くなります。
もうひとつの特徴は、お客様や取引先とのやりとりがあることです。営業担当が外出している間に問い合わせを受けたり、納期の調整を伝えたりします。書類の数字の誤りがお客様に直接影響しやすいため、ていねいな確認が大切にされる仕事です。
仕事内容のくわしい中身は、営業事務の仕事内容とは?一般事務との違いと未経験から目指すポイントにまとめています。
未経験ならどちらが目指しやすい?
「未経験ならこちらが正解」と言い切れるものではありません。地域や時期、会社の事情によって状況は変わるからです。そのうえで、判断の材料になる一般的な傾向を3つお伝えします。
一般事務は、応募が集中しやすい
一般事務は職種名が分かりやすく、未経験歓迎の求人も見かけやすいぶん、応募が集中しやすいと言われています。求人が見つかりやすいことと、受かりやすいことは別の話です。競争の実態と突破口は、事務は未経験だと難しい?「難しい」の正体と現実的な突破口に整理しました。
販売・接客の経験は、営業事務の顧客対応で活きやすい
販売や接客の仕事をしてきた方は、お客様の要望をくみ取る力や、電話・対面でのていねいな受け答えが身についています。これは営業事務の顧客対応の場面で活きやすい経験です。前職の経験を事務向けに言いかえる方法は、販売・接客の職務経歴書を「事務向け」に書くコツを参考にしてください。
もちろん、一般事務でも電話や来客の対応はあります。接客経験がどちらか一方でしか活きない、ということはありません。
求人名ではなく「仕事内容」の欄で判断する
いちばんお伝えしたいのはここです。同じ「一般事務」という求人でも、受発注や見積書の作成が中心なら中身は営業事務に近いですし、「営業事務」でも社内の庶務が多い会社もあります。
求人名だけで絞り込まず、仕事内容の欄を読んで、自分がやりたい仕事かどうかで判断するのがおすすめです。求人の見方は未経験OKの事務求人の探し方・見極め方でも紹介しています。
私の場合:どちらでもない「総務の庶務」で入社しました
ここで、私自身の話を少しさせてください。
私は日用品や工具の販売を約10年続けたあと、37歳・未経験で事務職に転職しました。ただ、入社したのは「一般事務」でも「営業事務」でもなく、総務の庶務と経理の補助という形です。なので、一般事務・営業事務として働いた経験はありません。この記事の両者の説明は、一般的な傾向としてお伝えしています。
転職活動では、はじめは名前の知れた大手ばかりに応募して、落ち続けました。エージェントの助言で中小・伸び盛りの会社に方向を変えたところ、内定をいただけました。
振り返って思うのは、次の2つです。
- 求人名で絞りすぎなくてよかった……「一般事務」「営業事務」という名前にこだわっていたら、今の職場には出会えていなかったと思います。仕事内容の欄で判断したほうがよいと感じているのは、この経験からです
- 評価されたのは「支えた経験」だった……前職では副店長と社員教育の担当をしていました。面接で評価されたのは、売上などの「売る実績」よりも、「店を支えた経験」のほうでした
一般事務も営業事務も、根っこは「誰かを支える仕事」です。どちらを選ぶか迷ったときは、これまで自分がどんな形で人を支えてきたかを振り返ってみると、答えが見えやすくなるかもしれません。私の転職の流れは日用品や工具の販売から、未経験で事務職に転職した私の話に書いています。
迷ったときの選び方チェックリスト
当てはまるものが多いほうを、まず優先して探してみてください。
- 社内の人を幅広くサポートする役回りが好き
- 決まった相手より、いろいろな人から頼まれる仕事がしたい
- 社外とのやりとりは、まずは少なめから始めたい
- データ入力や書類整理など、コツコツした作業が苦にならない
- 販売・接客などで、お客様と話す仕事をしてきた
- 電話やメールでのやりとりが苦にならない
- 金額や数量、納期など、数字を正確に扱うのが得意
- 急ぎの依頼にも、段取りを組んで対応できる
両方に同じくらい当てはまる方は、どちらか一方に決めなくても大丈夫です。両方の求人を見比べて、仕事内容の欄がしっくりくるほうに応募していけば十分です。
よくある質問
Q. 一般事務と営業事務で、給与に差はありますか?
会社の規模や業界、地域によって違うため、「どちらが高い」とは一概に言えません。気になる求人があれば、求人票の給与欄や手当、賞与の有無を確認して比べてみてください。
Q. 営業事務にはノルマがありますか?
一般には、営業事務は営業担当を支援する立場のため、個人のノルマは無いことが多いと言われています。ただし、会社によってはチームの目標に関わる場合もあります。気になる方は、求人票の仕事内容を確認したり、面接で質問したりしておくと安心です。
Q. 最初に選んだほうから、あとで変えることはできますか?
PC操作、書類の作成、電話対応といった基本の仕事は、どちらにも共通しています。そのため、一方での経験がもう一方でまったく役に立たない、ということは少ないはずです。「最初の一社で一生が決まる」と考えすぎず、まずは事務の経験を積める職場を探すことを優先してもよいと思います。
まとめ:「誰を支えたいか」で選び、仕事内容の欄で確かめる
一般事務と営業事務の違いは、ひとことで言えば誰を支えるかです。一般事務は部署や会社全体を、営業事務は営業担当とお客様とのやりとりを支えます。
- 一般事務は応募が集中しやすい傾向がある
- 販売・接客の経験は、営業事務の顧客対応で活きやすい
- どちらの場合も、求人名ではなく仕事内容の欄で判断する
「どちらが正解か」よりも、「自分はどんな形で人を支えたいか」から考えてみてください。そのうえで気になる求人の仕事内容を読んでいけば、応募先は少しずつ絞れていきます。
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